ミッドカインは塩基性の低分子量タンパク質で、成長因子あるいはサイトカインの仲間である。発生時に重要で、ことに中期胚に強く発現されている。成体での発現は限局されているが、発癌、そして炎症、修復の過程で強く発現されるようになる。ミッドカインは細胞の生存や移動を促進し、癌の進行、炎症性疾患の発症、そして傷害を受けた組織の保存、修復に深く関与している。

ミッドカインを細胞死を防ぐ薬として利用する、あるいは逆にミッドカインを標的にし、癌や炎症性疾患を治療することが注目されている。ミッドカインを腫瘍マーカーとして利用することも実用化段階を迎えつつある。ミッドカインの構造を模式的に図1に示す。 このホームページにはミッドカインについて、最新の情報が記されている。

Structure of Midkine ミッドカインの構造
図1
マウスのミッドカインの模式図。丸1つがアミノ酸1つを示し、赤丸はシステイン、オレンジ丸は塩基性アミノ酸を表している。