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ミッドカイン研究の流れ
*ミッドカインの研究において重要な出来事を記す。対応する原著論文の番号は[ ]内にある。
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-1993
- ミッドカインの発見。胚性腫瘍細胞の分化誘導時に早期発現してくる遺伝子の産物としてcDNA クローニングされた。(門松健治ら、1988)[1]
- ニワトリ胚にヘパリン結合タンパク質RIHBを同定。これは後にニワトリのミッドカインと判明。(Vigny, M.ら、 1989, Raulais, D.ら、1991)[2, 11]
- 胚発生の過程で、ミッドカインが強く発現される部位が同定された。(門松健治ら、1990)[3]
- ミッドカインcDNAの全構造決定。ミッドカインが分泌タンパク質であることが予想された。(友村美根子ら、1990)[4]
- プレイオトロフィンはミッドカインと強いホモロジーを持つ。(Merenmies, J.ら、Li, Y. S.ら)[5, 6]
- マウスミッドカインの遺伝子構造の決定。(松原修一郎ら、1990)[7]
- ミッドカインがヘパリン結合性の分泌タンパク質であることが明示された。(友村美根子ら、1990)[8]
- ミッドカインタンパク質が精製され、細胞の増殖と神経細胞の突起伸長作用を持つことが判明した。(村松寿子ら、1991)[9]
- ヒトミッドカインのcDNAクローニング。(筒井順一郎ら、1991)[10]
- マウスミッドカイン遺伝子(Mdk)の存在位置決定。(Shimon- Chazottes, D.ら, 1992)[12]
- 神経発生におけるミッドカインの重要性を示唆。(Nurcombe, V. ら、1992)[13]
- ヒトがんにおけるミッドカインの発現上昇の発見。(筒井順一郎ら、1993)[14]
- ミッドカインは神経細胞の生存維持活性を持つことが判明。(道川誠ら、佐藤準一ら、1993)[15, 16]
- アルツハイマー病患者の老人班におけるミッドカインの沈着。(安原ら、1993)[17]
- ミッドカインに対する抗体の作成と応用。ミッドカインが Wilms腫瘍細胞の増殖に関与することの発見。(村松寿子ら、1993)[18]
- ミッドカインの二次構造の決定。(Fabri, L ら、 1993)[19]
- ヒトミッドカイン遺伝子の構造決定。(上原一芳ら、1993)[20]
- ヒトミッドカイン遺伝子(MDK)の存在位置を決定。(要匡ら、1993)[21]
- 乳がん、肺がんにおけるミッドカインの発現上昇。(Garver, R. I., Jr.ら, 1993, 1994)[22, 23]
1994
- ミッドカインの活性は主として、よりC末端の側のドメインに担われる。(村松寿子ら、1994)[24]
- ミッドカインプロモーターにおけるレチノイン酸応答性エレメントを同定。(松原修一郎ら、1994)[25]
- 連続光照射後の網膜細胞の死滅をミッドカインが防止することを発見。(鵜木一彦ら、1994)[26]
- ミッドカインがヌクレオリンと強く結合することを発見。(武三津彦ら、1994)[27]
- ミッドカインは発生中の神経細胞が移動する系路となる放射状グリア突起に存在する。小脳発生とミッドカインの関連も判明。(松本ら、1994)[28, 29]
1995
- ミッドカインは血管内皮細胞に作用し線溶系を促進する。(小嶋聡一ら、1995)[30]
- ミッドカインは歯芽の発生に関与する。(Mitsiadis, T. ら、1995)[31]
- ミッドカインとプレイオトロフィンの胚における分布はかなり異なる。(Mitsiadis, T.,ら、1995)[32]
- ミッドカインはシンデカンと強く結合する。(Mitsiadis, T., ら、1995; 小嶋哲人ら、1996、中西透ら、1997)[32, 37, 49]
- ミッドカインを強く発現するニューロブラストーマ、膀胱がん、グリオブラストーマの患者は予後が悪い。(中川原章ら、1995; OユBrien, T.ら、1996;三島ら、1977)[33, 42, 53]
- 消化器がん、甲状腺がん、脳腫瘍におけるミッドカイン発現の上昇。(有留邦明ら、1995; 加藤ら、1999, 2000)[34, 63, 72]
- 脳虚血、心筋虚血時のミッドカインの発現上昇。(吉田義弘ら、1995; 小浜寛也ら、1998)[35, 54]
- ミッドカインは羊水中に大量に存在する。(小濱寛也ら、1995)[36]
1996
- ミッドカインとの強い結合に必要なヘパリンの硫酸基を同定。(金田典雄ら、1996)[38]
- ミッドカインの全化学合成。(乾達也ら、1996)[39]
- ミッドカイン遺伝子のプロモーター領域にWT1結合部位がある。(安達康雄ら、1996)[40]
- ミッドカインの酵素免疫アッセイ系の開発。肝がん患者で血清ミッドカイン値が上昇する。(村松寿子ら、1996)[41]
- 短縮型ミッドカインの発見。(要匡ら、1996)[43]
1997
- ミッドカインはN1H3T3細胞をがん化させる。(門松健治ら、1997)[44]
- ミッドカインは血管内皮細胞に作用する時、二量体化する。(小嶋総一ら、1997)[45]
- ミッドカインは神経と筋肉の間でシナプス形成を誘導する(Zhou, H.ら、1997)[46]
- ミッドカインは好中球の遊走を促す。(高田徹ら、1997)[47]
- ミッドカインの立体構造を決定。(岩崎わかなら、1997)[48]
- ミッドカインのヘパリン結合部位の解明(岩崎わかなら、浅井ら, 1997)[48, 50]
- ミッドカインはin vivoで血管新生能がある。(Choudhuri, R.ら、1997)[51]
- ミッドカインは放射状グリア突起のマーカーとなる。(Sun, XZら、1997)[52]
1998
- ミッドカイン遺伝子ノックアウトマウスを作成。(中村英伸ら、1998)[55]
- ミッドカインはアフリカツメガエルの胚で神経分化を促進する。(横田ら、1998)[56]
- ミッドカインはアミロイドβ-ペプチドの神経細胞障害活性を抑える。(Yu, G.S.ら、1998)[57]
1999
- ミッドカインは神経細胞の移動を促進し、その時働く受容体はPTPzである。(前田信明ら、1999)[58]
- ミッドカインは前立腺がん、大腸がんの進展に伴って発現増大していく。(小西ら、 1999、Yeら、1999)[59, 60]
- ミッドカインの神経細胞に対する抗アポトーシスシグナルはPI3キナーゼからERKに到るシグナル系で伝達される。(大和田ら、1999) [61]
- ミッドカインは骨折の治癒に関与し、軟骨分化を促進する。(太田進ら、1999)[62]
2000
- 血清ミッドカインレベルは多くのがん患者で上昇する。(池松真也ら、2000)[64]
- ミッドカインはコンドロイチン硫酸プロテオグリカンであるPG-M/バーシカンと強く結合する。(Zou Kunら、2000)[65]
- コンドロイチン硫酸E構造はミッドカインの高アフィニティー結合部位である。(上岡ら、2000; Zou Pengら、2003)[66, 96]
- ミッドカイン遺伝子ノックアウトマウスでは虚血後の新生内膜形成が抑えられる。ミッドカインはマクロファージの移動を促進する。(堀場充ら、2000)[67]
- ミッドカインはスルファチドやグリピカンとも結合する。(黒澤信幸ら、2000、2001)[68, 79]
- LRPはミッドカイン受容体の成分である。(村松寿子ら、2000)[69]
- ミッドカインは体外培養中のウシ胚の生存率を高める。(池田俊一郎ら、2000)[70]
- ミッドカインのプロモーターをチミジンキナーゼなど抗腫瘍性遺伝子の腫瘍特異的発現に利用できる。(安達康雄ら、2000、2001、宮内ら、2001; 富沢ら、2003)[71, 75, 76, 94]
- ミッドカインは繊維芽細胞に働き、コラーゲンゲル収縮能を活性化する。(鷲見幸男ら、2000)[73]
- ミッドカインはがん細胞の抗癌剤に対する抵抗性を増加させる。(Qi, M.ら、2000)[74]
2001
- ミッドカインはHIVの感染を阻止する活性がある。(Challebaut, C.ら、2001) [77]
- 2003)[78, 93]
- ミッドカインは虚血後の腎障害に関与する。(佐藤和一ら、2001)[80]
- ミッドカインはneurofibromatosis-1遺伝子の欠失によって生じたmalignant peripheral nerve sheath tumorで強く発現し、その増殖を助けている。(Mashour, G. A.ら、2001)[81]
- ミッドカインに対するアンチセンスオリゴDNAはヌードマウスに移植したがん細胞の増殖を抑える。(武井佳史ら、2001)[82]
- ラミニン結合タンパク質前駆体はミッドカインに強く結合し、その核移行を助ける。(Salama, R.ら、2001) [83]
- ミッドカインは骨芽細胞の移動を促進する。その受容体はPTPzであり、下流のシグナル系はPI3キナーゼからERKである。(Qi, M.ら、2001)[84]
- 虚血傷害時の神経細胞死の進行をミッドカインは遅らせる(吉田義弘ら、2001)[85]
2002
- ミッドカインの核移行は細胞の生存維持活性に必要である。LRPとヌクレオリンはそれぞれ細胞内取り込みと核移行に関与する。(柴田義久ら、2002)[86]
- ミッドカインが上皮間葉相互作用へ関与する様式の一つを解明。(鷲見幸男ら、2002)[87]
- ALKはミッドカインの受容体の一つである。(Stoica, G. E.ら、2002)[88]
2003
- ニューロブラストーマ、食道癌のマーカーとしてのミッドカインの意義を明示。(池松真也ら、島田英明ら、2003) [89, 90, 91]
- 尿中のミッドカイン値も腫瘍マーカーとなる。(池松真也ら、2003)[92]
- PTP zは神経細胞の生存保持の時のミッドカイン受容体となる。LRPと共にLRP 6も受容体となり得る。(坂口菜朋子ら、2003)[95]
- 抗アンジオゲネシス治療がミッドカインを過剰発現している膀胱がんの移植モデルに有効である。(Murakami, M ら、2003)[97]
- 肝がんにおいてミッドカイン・プロモーターはアルファーフェトプロテイン・プロモーターと同様の強さで下流の遺伝子の発現を促し、有害遺伝子の選択的発現に有用である。(Tomizawa, M.ら、2003)[98]
2004
- 胃がん細胞株に、抗がん剤抵抗性と最も良く連関して発現上昇する遺伝子はミッドカイン遺伝子である。 (Kang, Hら、2004)[99]
- ミッドカインの核移行はプロテアソームによるミッドカインの分解によって御製される。(鈴木徳幸ら、 2004)[100]
- ミッドカインは手術後の癒着において重要な役割を果たすことを、ノックアウトマウスを用いて証明。(伊能和彦ら、2004)[101]
- ミッドカイン遺伝子塩基62のG/T多型において、Tであると短縮型ミッドカインの大腸がんにおける発現が増強される。(Nobata, S ら、2004)[102]
- 脊椎損傷において障害を受けた部位にミッドカインが強く発現される。(Sakakima. H. ら、 2004)[103]
- 乳がんにおいて有害遺伝子を発現させるプロモーターとしては、ミッドカイン・プロモーターがerbB-2プロモーターより優れている。(Yu, L. ら、 2004)[104]
- ミッドカインはリュウマチの発症に大きく関与する。炎症性細胞の移動、破骨細胞の分化を共に促進するからである。(丸山聖子ら、2004)[105]
- TRAILによって誘導される肝がん細胞株のアポトーシスはミッドカインによって抑制される。(Ohuchida, T. ら、2004)[106]
- 肺におけるミッドカインの発現は酸素欠乏によって誘導され、これにはHIF-alphaが関与する。ミッドカインは血管の平滑筋細胞に作用し、転写を促進する。(Reynolds, P. R. ら、2004)[107]
- ミッドカイン・プロモーターを用いた条件付増殖性のアデノウィルスは移植グリオーマ株の増殖を阻止する。(Kohno, S.ら、2004)[108]
- 成人のneurofibromatosis type 1患者の血清においてミッドカインレベルが上昇する。(Mashour, G. ら、2004)[109]
- インテグリン(alpha4beta1, alpha6beta1)はミッドカイン受容体の成分であり、他の受容体と複合体を作って働くと考えられる。(村松寿子ら、 2004)[110]
- 内在性のミッドカインは炎症性細胞の移動を促進することにより、抗がん剤の腎毒性を増強する。(河合華代ら、2004) [111]
- ミッドカインは肝再生を促進する。(落合恵子ら、 2004)[112]
- 座骨神経の損傷修復時に、脊髄の運動ニューロンにミッドカインが発現する。(Sakakima, H.ら、2004)[113]
- ヒトミッドカインに対するアンチセンスオリゴDNAが開発された。(武井佳史ら、 2004)[114]
2005
- ミッドカインに対するアンチセンスオリゴDNAを用いて、マウスで虚血性腎障害や新生内膜の形成を阻害できた。(佐藤和一ら、林健司ら、2005)[115, 119]
- 脳虚血後の神経細胞死をミッドカイン遺伝子導入により軽減できた。(Takada, Y.ら、2005)[116]
- 短縮型ミッドカインにはトランスフォーメイション能がある。(Nobata, S.ら、2005)[117]
- ミッドカインは子宮内膜症と関連する可能性がある。(Hirota, Y.ら、2005)[118]
- 短縮型ミッドカインがマウスの発生時に出現する。(Chen, Q ら、2005)[120]
- 神経発生の初期に重要な役を果たす底板の形成に、ゼブラフィッシュではミッドカイン-aが必要である。(Schafer, M. et al., 2005)[121]
- アルツハイマー病患者の約半数で血中のミッドカイン濃度が上昇する。(Salama, R.ら、2005)[122]
- 化学療法抵抗性を、分泌性因子であるミッドカインが隣のがん細胞に伝える。(Mirkin, B. L. ら、2005)[123]
- ミッドカインはレニン、アンジオテンシン系の制御因子の一つである。(Ezquerra, L. ら、2005)[124]
- ミッドカインはアポトーシスを抑え、血管新生を促進することにより、malignant peripheral nerve sheath tumorの発生に関与する。(Friedrich, C.ら、2005)[125]
2006
- ショウジョウバエにはmiple1、miple2とよばれるミッドカイン、プレイオトロフィンと共通モチーフを持つ分子がある。(Englund, C.ら、2006)[126]
- 宿主の生産するミッドカインはがんの転移を促進する。(Salama, R. H.ら、2006)[127]
- ミッドカインは糖尿病性腎障害の発生に関与する。(小杉智規ら、2006)[128]
- ミッドカインとプレイオトロフィンを共に欠くマウスは高度の難聴であり、ベータ・テクトリンをほとんど発現しない。(Zou, P. et al., 2006)[129]
- 慢性アルコール中毒患者の脳でミッドカインの発現が増加する。(Flatscher-Bader, T. et al., 2006)[130]
- ミッドカイン遺伝子欠損マウスにおいて、動脈のカテコールアミン合成酵素系の発現が大きく亢進する。(Ezquerra, L., 2006)[131]
- ミッドカインの発現を抑えるsiRNAは抗がん剤の効果を高める。(武井佳史ら、2006)[132]
- 大腸の傷害治癒過程でミッドカインの発現が高まるる。(Yuki, T. et al., 2006)[133]
- 静脈グラフトにおける新生内膜形成をミッドカインに対するsiRNAが抑える。(坂野比呂史ら, 2006)[134]
- ミッドカインがオリゴデンドロサイト前駆体様細胞における突起伸張を助けるとき、ニューログリカンCがミッドカイン受容体の一つとなる。(市原啓子ら、2006)[135]
- ミッドカインは胎児の副腎に強く発現し、そのdefinitive zoneの細胞の増殖を促進する。(Ishimoto, H., 2006)[136]
- ミッドカインがALKを通してシグナルを伝えるとき、insulin receptor substrate-1のリクルートとNK-kappaBの活性化が必要である。(Kuo et al., 2006)[137]
- ミッドカインは障害を受けた大腸粘膜で強く発現する。In viroの創傷治癒モデルでミッドカインは効果を示す。(Yukiら、2006)[138]
- ミッドカインは障害を受け、再生中の筋肉に強く発現する。(榊間ら、2006)[139]
- ミッドカインはウシ受精卵のin vitro発生効率を増大させるが、この作用はcumulus細胞のアポトーシスを阻害することが要因の一つと考えられる。(池田ら, 2006)[140]
- ミッドカインは虚血障害を受けた心筋細胞の生存を助ける。ミッドカインを心筋梗塞の治療に利用できる可能性が浮上した。(堀場ら、2006)[141]
- siRNA, コンドロイチン硫酸Eといった物質を用いた、ミッドカインを標的とした治療がマウスモデルでリウマチ、手術後の癒着に有効であった。(山本ら、2006)[142]
- ミッドカイン、プレイオトロフィン両遺伝子を欠くマウスは生まれにくく、小さく、またその雌は不妊の傾向が強かった。(村松ら、2006)[143]
- ミッドカインは神経前駆体細胞(神経幹細胞)の増殖と生存を促進する。 このことがミッドカインによる神経分化増強の主な原因と考えられる。(Zouら、2006)[144]
2007
- モルフィンとヨヒンビンはいずれも海馬でのミッドカイン発現を増大させる。(Ezquerraら、2007)[145]
- 消化管のstromal tumorはミッドカインを発現する場合、発現しない場合に比べて患者の予後が悪い。(Kaifiら、2007)[146]
- ヒトのメニンジオーマ はミッドカインを強く発現する。ミッドカインはメニンギオーマのアポトーシスを阻害することも明らかになった。(Tongら、2007)[147]
- ミッドカインは3T3-L1細胞でSTAT3のリン酸化と脂肪細胞への分化を促進する。(Cernkovichら、2007)[148]
- 急性前B細胞リンパ芽球性リンパ腫でミッドカインの発現上昇が起こる。(Hidakaら、2007)[149]
- 発生中の線条体はミッドカインとプレイオトロフィンを共に発現する。さらに、プレイオトロフィンはその神経細胞の生存を促進する。(Marchioniniら、2007)[150]
- ミッドカインの肝臓がんマーカーとしての有用性を確認した。(Jiaら、2007)[151]
- ミッドカインに対するアンチセンスオリゴDNAを静脈注射で投与することによりマウスに移植したヒト肝臓がんの増殖を阻害した。(Daiら、2007)[152]
- インスリノーマと膵臓がんでミッドカインの発現亢進を認めた。さらに、癌特異的な短縮ミッドカインを3種見出した。(Taoら、2007)[153]
- 散発性あるいは潰瘍性大腸炎関連型の大腸がんではミッドカインの発現上昇のパターンが異なっている。(Tokuyamaら、2007)[154]
- ミッドカインは骨肉種細胞に強く発現され、抗ミッドカイン抗体はその増殖を阻害する。(Maehara ら、2007)[155]
- 食道の扁平上皮がんにおいてミッドカインはリンパ節転移のマーカーとなる。(Krzystek-Korpackaら、2007) [156]
- 膵臓頭部がんにおいてミッドカインを発現しているケースは発現していないケースに比べて予後が悪い。(Maedaら、2007)[157]
- 糖尿病性腎症における尿細管の炎症にミッドカインが関与する。(小杉ら、2007)[158]
- ヌードマウス移植大腸がんの増殖ををミッドカイン最小プロモーター支配下のTKとガンシクロビルで阻害できる。(Hanariら、2007)[159]
- ショウジョウバエでHOWは中胚葉細胞の正常な拡散に関与する。HOWが発現を抑える標的分子として、ミッドカインとプレイオトロフィンに共通のモチーフを持つmipleが同定された。(Toledano-Katxhalskiら、2007)[160]
- ヒトの卵胞は強くミッドカインを発現する。(Hirotaら、2007)[161]
- ヌードマウス移植膀胱がんの増殖をミッドカインプロモーター支配下のE1aを持つアデノウィルスで阻害きた。(Teraoら、2007)[162]
- ミッドカインはおそらく消化器がんにおける悪液質の発生に関与している。(Krzystek-Korpackaら、2007)[163]
- LRPのミッドカイン結合ドメインを利用して、ミッドカインの活性を阻害できる。(Chenら)[164]
2008
- ゼブラフィッシュのMidkine-bは神経堤細胞などの分化に関与する。(Liedtke と Winkler, 2008) [165]
- ミッドカインは多発性硬化症モデルの発症に重要で、ミッドカインを抑えるアプタマーが治療薬となる可能性がある。 (Wang ら, 2008) [166]
- アルコール中毒患者の脳でミッドカイン発現が亢進する。 (Flatscher-Bader と Wilce, 2008)[167]
- ミッドカインは軟部組織の腫瘍で発現が上昇する。(Jinら, 2008)[168]
2009
- Acyl-CoA synthase 5 はミッドカインの発現上昇を介して酸性状態でのがん細胞の生存を促進する。(Mashimaら, 2009) [169]
- ドーパミン系の神経系の発達にミッドカインが関与する。(Ohgake ら, 2009) [170]
- 障害を受けた末梢神経の再生、変性いずれにもミッドカインが関与する。(Sakakimaら, 2009) [171]
- ミッドカインはアンジオテンシン変換酵素の活性を上昇させ、血圧を高める。腎性高血圧の発症とミッドカインが関連付けられた。(Hoboら, 2009) [172]
- マイクロビーズを用いた測定法を利用すると、ミッドカインは乳がんマーカーとなる。(Ibusukiら, 2009) [173]
- ミッドカインはアポリポタンパク質A-Vと結合して、インスリンの分泌を促進する。 (Helleboid-Chapmanら, 2009)[174]
2010
- ゼブラフィッシュの網膜では、ミッドカインの発現がサーカディアン・クロックにより制御されている。(Calinescu, A.A. ら, 2009) [175]
- 心筋梗塞後のミッドカイン遺伝子導入により心臓機能不全が改善される。(Sumida, A. ら, 2009) [176]
- ミッドカインは海綿骨の形成を妨げる。(Neunaber, C. ら, 2010) [177]
- ミッドカインとプレイオトロフィンは抗菌作用を持つ。(Svensson ら, 2010) [178]
- ミッドカインはカイニン酸によるてんかんを抑える。(Kim, Y.B. ら, 2010) [179]
- ミッドカインの簡便な活性測定法がミッドカイン阻害剤のスクリーニングに利用された。(Matsui T. ら, 2010) [180]
- 脳損傷後の早期の運動により機能回復が促進され、同時にミッドカインの発現が促進される。(Matsuda F. ら, 2010) [181]
2011
- 生合成途上でミッドカインとLRPが結合することで両者の合成が抑えられる。(Sakamoto ら, 2011) [182]
- ミッドカインはアミロイド β-ペプチドのプラーク沈着を抑える。 (Muramatsu, H.ら, 2011) [183]
- ミッドカインはWntシグナル系を抑えることにより骨芽細胞の増殖を阻害する。(Liedert, A. ら, 2011) [184]
- ミッドカインはブタにおける虚血再灌流モデルで心筋の障害を抑える。(Ishiguroら、2011) [185]
- ミッドカインはAlkシグナル系を介してニューロブラストーマ発生に寄与する。(Reiff ら、2011) [186]
- 皮膚常在菌はプロテアーゼおよび結合タンパク質を分泌して抗菌物質であるミッドカインの作用を妨げる。(Frick ら、2011) [187]
- ミッドカインはNotch-2に結合し、Notchシグナル系を介して膵臓がん細胞の化学療法剤抵抗性を増強する。(Gungor ら、2011) [188]
2012
- エストラジオールはミッドカインの発現を増加させることにより、肺がん細胞のepithelial-mesenchymal transitionを亢進させる。(Zao ら、2012) [189]
- ミッドカインは免疫寛容性樹状細胞の発生を抑えることにより調節性T細胞の分化を阻害する。(Sonobe ら、2012) [190]
- ミッドカインは始原生殖細胞の増殖を促進する。(Shenら、2012) [191]
- ミッドカインはPTPζ シグナル系を介してB細胞の生存を促進する。(Cohenら、2012) [192]
- 虚血によって血管内皮細胞に発現誘導されたミッドカインは血管新生を誘導する。(Weckbach ら、2012) [193]
2013
- ミッドカインは抗糸球体基底膜抗体による糸球体腎炎を軽減させる。ミッドカインによるPAI-1の阻害による線溶系の亢進がその理由と考えられる。(Kojimaら、2013) [194]
- ミッドカインの全分子の立体構造決定。ヒンジ領域もヘパリン結合に重要である。(Limら、2013)[195]
- コンドロイチン硫酸プロテオグリカンによる神経突起伸長阻害はミッドカインの働きで克服できる。(Muramotoら、2013) [196]
2014
- ミッドカインはβ2インテグリンを介した好中球の接着を促進する。この場合のミッドカイン受容体はLRP1と考えられる。(Weckbach ら、2014) [197]
- 低酸素状態での肺上皮細胞の増殖と分化は、PKCδを介するミッドカインの発現に依存することが、それぞれを阻害することによって判明した。(Zhangら、2014)[198]
- ミッドカインは脂肪細胞によって生産され、インスリンシグナル系を阻害し、肥満によるインスリン抵抗性に関与すると考えられる。(Fanら、2014) [199]
- GABA受容体に作用する低濃度の薬物やエタノールに対する反応はミッドカイン欠損マウスで増強される。(Vicente-Rodriguez ら、2014) [200]
- ミッドカインはマウスの変形性関節症モデルに対して治療効果を示す。(Xuら、2014) [201]
2015
- 抗ミッドカイン抗体は腎性高血圧モデルで治療効果を示す。(Satoら、2015)[202]
- 転写因子SP1はミッドカインの発現を上昇させることでグリオーマ細胞の増殖を促進する。(Luoら、2015) [203]
- C末端側40アミノ酸を欠くミッドカインはニューロブラストーマの増殖を抑える(Dianatら、2015) [204]
- ミッドカインKOマウスでは機械的ストレスによる肺の線維化が抑えられる(Zhangら、2015) [205]
- エタノールは脳でミッドカインーALKシグナル系を活性化させる。(Heら、2015) [206]
2016
- ミッドカインに対する抗体は骨折の治癒を促進する。(Haffner-Luntzerら、2016) [207]